2002年、第32回定期演奏会のプログラムに寄せていただいた
杉並児童合唱団の志水先生からのメッセージです。


長崎少年少女合唱団が「少年合唱団」の名称で創立されて間も無い頃からその演奏の指導に深く関わりを持っていた私にとって、この35年間の推移には感無量のものがあり、よくぞ現在まで持続できたものだと感心しております。

 長崎少年合唱団の名称の頃は、私たちの仲間である杉並会議の所属の団体としては異例と思える程多人数の指導者が在籍し、練習はシニアとジュニアに分かれて行われ、その上曲によって指揮者が交代すると言う変則的システムで運営されておりました。そのように大勢の指導者が互いに口出しするため上級生団員に自主性が芽生えず、レッスンへの集中力も乏しく、合唱団に対する愛着が薄い団員たちの集団に見えました。それが杉並会議の諸団体との交流が盛んになるにつけ、他団体の上級生団員の行動に刺激を受け、長崎の団員の中にも自主的に行動する姿勢が育ち、序々に団の体質が強化され団全体に活力が漲り演奏力も急速に向上のきざしを見せ、順調な運営が続いた良き時代もありました。

 然し、指導陣の組織はそのままの形で残っていた為か、団の体質の変化に順応する事が出来ず短い期間に相次いで退任や離別される事件が起こり団の指導と運営に大きな危機を迎えてしまいしました。然し、その大ピンチを救ってくれたのは、自主性が芽生えて頑張って歌い続けてくれた上級生団員の行動力でした。そして、指導陣の最後の砦となって一人残って下さった小堺洋子先生ががっちり団員の気持ちを支えお互いの合唱団再生に対する熱い気持ちと実行力が長崎少年少女合唱団の崩壊を食い止めたのであります。そして幸いなことに団員の先輩である若き指導者入江睦美先生が加入されお二人の息のあった指導で長崎は完全に立ち直るきっかけをつかむことが出来たようです。

 今定演に向かって「新生」長崎少年少女合唱団の基礎固めが指導者と団員の心が一つになって進められておりますが、この前向きの姿勢が整って来た時に35年の節目の演奏会を迎えられる事は誠に幸運なことと言えます。そしてこの演奏会の成果が新生長崎少年少女合唱団の未来へ発展の大きな基礎となってくれるものと信じております。

 私も数多くの合唱団とお付き合いしておりますが、これ程までに変貌した合唱団は初めてであります。現代のような児童合唱団不毛の時代、消滅しかかった団体を純粋な気持ちで再建されようとされる指揮者と団員の皆さんに絶大な拍手を送ります。そして皆さんの前途を祝する気持ちをいっぱい込めて定演でワルツの棒を精いっぱい振らせていただきます